こんにちは、家具のひらやまの林です。
今回は、クラシックな雰囲気が漂うアンティークソファーの修理をご依頼いただきました。木部の装飾が美しく、張り地の色合いも上品で、長く大切に使われてきたことが伝わってくる一台です。
お客様から「座面が沈み込むようになってきて、前の方にぐらつきがある」とのご相談を受け、現物を確認させていただいたところ、座面の前部分に使われている構造材が折れ、木部にひび割れが発生している状態でした。
破損箇所の確認と構造補強
ソファーの内部構造を確認するために裏地を一部取り外し、詳細に状態を調べました。表からは見えない部分ですが、前脚と脚の間の連結部が力を受け続けた結果、木が折れてしまっていました。
まずは割れた木部の修理を行い、接着と成形で強度を回復。そのうえで、今後の使用でも耐久性を保てるように、L字型の補強プレートを新たに取り付けました。このプレートは、ソファーの構造にしっかりとフィットするよう加工し、ビス止めで固定しています。
現状の構造を活かした追加補強
アンティーク家具は、当時の技術で組まれた貴重な構造をそのまま残しておきたいという気持ちが私たちにもあります。今回も、既存の構造を活かしつつ、無理のない形で補強部材を追加しました。
新たに足した木部は、力のかかる部分をしっかりと支える位置に配置し、他のパーツと連動して荷重を分散させる設計にしています。これにより、見た目を損なわず、より強固な座面構造へと生まれ変わりました。
張替えは行わず、現状の雰囲気を維持
今回の修理では、張替えは行わず、既存の張り地をそのまま使用しています。生地自体はまだしっかりしており、色味や風合いもお客様のお気に入りということもありました。
装飾ブレードや座面の仕立てはそのままに、裏地を丁寧に外して作業を進め、最後に元通りに戻して仕上げました。表からは修理の痕跡が見えないようにすることも、家具職人として大切にしているポイントです。
修理を終えて
古い家具には、そのご家庭ごとの思い出や時間が染み込んでいます。それを壊すことなく、必要な部分だけを見直して、また使えるようにする——それが私たち「家具のひらやま」の役割だと考えています。
家具の修理・補強もお気軽にご相談ください
「もう使えないかも」と思っていた家具も、実は手を加えることでまだまだ活躍できるかもしれません。特にアンティーク家具や思い出のある品は、直して使うことで、さらに深い愛着が生まれます。
家具のひらやまでは、今回のような構造補強から、張替え、パーツの製作まで対応可能です。まずは状態を拝見させていただければ、最適なご提案をさせていただきます。
気になる家具があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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